CJコラム

訪日ビジネスを考える~商売は結局のところ度胸?~

日本人の美徳でもありますが、他の国の方と比べると、完璧を求めすぎる傾向があります。
それは、職人でない一般人の根底にも強く流れている傾向です。
海外の方と仕事をしていると、この点は痛感します。
日本人の自分からすると、看過できないもどかしさを感じることも多々ありますし、また、その後日本人と仕事をすると、今度は自分が緩くなってしまっていると気づかされることも定番のことです。
訪日外国人を受け入れるにあたり、完璧なおもてなしでなければ!という強迫観念に駆られて、一歩踏み出せずにいたりしませんでしょうか?
訪日外国人向けに、先進的な取り組みを行っている家電量販店などを見て回り、POP、店員、会計・決済システムなどを目の当たりにして、これは無理だと思っていませんでしょうか?

 

確かに、家電量販店や飲食チェーン店をベンチマークした場合、そのレベルまで投資することは、お金だけではなく、時間も考えると現実的ではありません。
では、外国人留学生でもバイトに雇おうかな?と思われたとしても、その留学生が1日中外国人の対応をするほど、お客様が来るのでしょうか?そもそも、雇った外国人留学生を日本人向けの接客レベルまで育てる時間や手間をかけることはできるのでしょうか?

以上を踏まえると、訪日外国人向けのビジネスは難しい気がしてきますが、この考え方こそが、冒頭の完璧を求めすぎる傾向が表れているところです。

 

我々日本人は、ビジネスにおいて、丁寧語・尊敬語・謙譲語を巧みに操りますが、外国ではそのレベルは一握りの人たちだけですし、王侯貴族でもない限り、日常会話は雑な文章しか使いません。
実際、YoutubeをChromeで開いて、コメント欄を日本語に翻訳してみると、普通の企業のWebサイトを翻訳した際では全くお目に掛かることのできない、意味不明な日本語になっているのがわかります。
いかにスラング的な文章を日常的に外国人が使っているかが分かるでしょう。

つまり、訪日外国人が騒がれる以前から、外国人と仕事をしている業態で無い限り、日本人の理想とする完璧さなど、どこにも必要ありません。カタコトの単語とボディランゲージで物怖じしない精神力の方が、よっぽど訪日外国人を呼び込む上で効果的です。
と言いますか、これが無いと、いくら他で頑張っても今と変わりません。近所の名物おじさん・おばさんと言われるくらい頑張れば、面白がって外国人は目を向け、カメラを向けてくれるでしょう。気がついたら、全世界で有名人になっているかもしれません。


後は、最低限間違ってはいけないことをテキストに起こしておくことですね。
音声翻訳などもありますが、それはもっと儲かってから考えればいいことで、サービスの内容、ラインナップ、マナー、会計の方法あたりが数カ国語になったものをプリントアウトしておけば十分です。トラブルも避けられ、お互い気持ちよく過ごせることでしょう。


このコラムの前に、免税商店街をテーマに構造的な取り組みについて触れましたが、本質的には、これくらいのハードルの低さから、取り組んでみては如何でしょうか。物怖じしない精神力はハードルが高いかもしれませんが、何せ、それはタダで今すぐ自分でできることですので・・・ぜひ頑張ってみてください。

 

補足(兼、営業)になりますが、、
「最低限間違ってはいけないことを、テキストに起こすこと」と先ほど申しましたが、当社では低コストでクラウド上で完結する「えらぶ翻訳」というサービスを用意しております。無料見積もりもすぐに出ますので、ご興味がある方はご活用ください。
 

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