CJコラム

吹き替え映画に思うこと(後編)

前回は、洋画・ドラマの日本語吹き替え作品が英語教育に良い影響を及ぼさないという意見がありながらも、独自の魅力的な演出により人気を博し、広く親しまれているという話をしました。

 

吹き替えの制作者が日本向けの演出を施し、オリジナルとは別物でありながら大衆にウケる作品を作り上げる限り、英語コンテンツがありのまま公共の電波にのって楽しまれることは、おそらく今後も期待薄でしょう。
また高齢社会になるにつれて、視聴者の多くを占める高齢者が字幕を見るのは面倒だという意見が強まるかもしれないので、英語コンテンツの吹き替えは、この先も日本で繁栄しつづけるだろうと予測できそうです。

 

しかし、英語習得を目指す人にとっては困ったものです。
英語を上達させたいけど、日本で広く放送される英語コンテンツはことごとく日本語に変換されるこのジレンマ。

 

それでは、テレビを使わずに英語のリスニングを上達させるにはどうすればよいか。

これはもう多くの方が実践されていると思いますが、テレビでナマの英語を期待するのはあきらめて、別のところで、機会を増やすことが現実的でしょう。
今やインターネットの動画配信チャンネルなど生の英語に触れるツールは豊富にあるので、その中からお気に入りを自分で見つけてコツコツ耳慣らししていく、という路線です。ただ、自分で適当なものを探して見つけて、それを定期的に見にいく、というのはかなりのやる気が必要ではあります。

 

なんとなくテレビをつけたら英語が流れていて、なんとなくBGMのようにかけているうちに耳が慣れてきたぞーという受身型でリスニング向上ができれば、言うことないんだがなぁと思う方もいると思いますが(私もそうです)、そういう英語のシャワーを、テレビからみんなが浴びられる、という日常風景は、残念ながら日本にはやってこないような気がします。(遠い目…)

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