アメリカドラマ「ウォーキング・デッド」のような街に住んでいることを想像したことがありますか?
ほとんど人がいないので、他の人と話す必要もありません。そして静かな夜にゆったりしていて、自分自身のことに集中することができます。仕事や家賃を心配しなくても特に問題がありません…
しかし、当然のことながら、将来についての希望を感じられないかもしれません。時間がとまる感覚でしょうか。
中国は昔の日本のように、大都市の急速な成長に伴い、若者たちが故郷を離れ、先進的な都市に移住しています。又は、基幹産業の収益性の低下などという事情により、人々が元々住んでいた町から退去し、地方部の人口消滅が進んでいました。
その人口過疎地域の多くは公共交通不便地域でしたが、自然豊かな場所であります。住宅価格が非常に安く、人口がまばらで、生活ペースも遅いです。次第に、大都市で苦労していた人々、または生き方に選択肢があるのだと気づいた人々は、各自の理由で、便利な都市を離れて自然豊かな人口過疎の地方で生きていくことを選びました。
今回は、冒険心を持って入りにくい場所で未知の世界を探検したいと思う人や、または別の生き方を始める町を見つけたい人のために、中国にある人口過疎町を紹介します。
乳山市(にゅうざん-し)
透き通るような海に囲まれている乳山は、「鬼城」と呼ばれています。中国山東省威海市に位置する県級市です。
ビーチリゾートとして開発された乳山の銀灘は、長さ21.3kmのビーチに豪華なホテルや高級高層ビルが立ち並び、綺麗ですが、交通が不便で居住率は低いです。旅行業以外に産業がほぼないので仕事チャンスも多くはありません。冬には雪が降るので、観光客がさらに少なくなります。
一ヶ月300rmb(4,766円相当)の家賃だけで、テレビや冷蔵庫、家具付き1LDKのアパートに住めます(下図)。人口が少なく、35歳以下の若者は10%未満のようです。しかし、海に近く、魚介類は安くて新鮮でプリプリしていますので、食べ過ぎてしまうかもしれませんね。
石嘴山市の石炭井区
明るい雰囲気の乳山とは違って、中国寧夏回族自治区石嘴山市の石炭井区は、まるでドラマ「ウォーキング・デッド」やホラー映画「サイレントヒル」にしか登場しない廃墟の街のような存在となっています。
石嘴山市の石炭井区は、元々石炭専門の町として発展していました。町の中に残る荒れ果てた病院、お菓子屋、食堂など生活施設を通して、衰退する前に人々がそこに住んでいるシーンをイメージすることができます。
石炭消費量が増加した一方で、石炭資源は急速に減少し続けていて、選炭工場の倒産が相次ぎ、永遠に閉鎖されることになりました。閉鎖は経済性が悪化したためで、同閉鎖によって従業員に影響が出ました。仕事を失った人々は次々と石炭井を離れ、ほかの町に移住、人口流出が深刻となって、町の過疎化が進みました。荒廃した地域では、一戸建ての住宅が1500rmb(23,811円相当)で販売されているところもあります。ただいまの石炭井は、完全に人類が消えた世界のようになってしまいました。