CJコラム

グローバルサイトのキャッチコピー良し悪し~第六弾・Future 4~

一流上場企業のグローバルサイトの中から私が独断と偏見で面白いと感じたメインキャッチコピーを抜粋して紹介しております。
未来「Future」に焦点を当てた企画です。「Future」は、日本企業でよく使われる単語ですが、うまく使わないと使い古された感が出てしまう難しさも持っています。今回は4社のサイトをピックアップしてみました。

 

 

王子ホールディングス株式会社

Beyond the Boundaries.
Changing the future could start here.

 

第一印象は、少し歯切れが良くないコピーかなと思います。どこがそう感じるのか考えてみると、”could start here”の部分。“could”のせいで始まるかもしれないし、始まらないかもしれないは不確定な感じがしますね。それに、”here”がこのウェブサイトを意味し、ここから未来を変えるというなら間違っていないのですが、どこから始まるのかを迷ってしまいます。ロゴ、社名、メインコピーから、紙を作る会社だとわかりにくいのは非常に勿体ないなと感じます。

 

 

 

日本製紙株式会社

Sowing the seeds for a sustainable future

製紙業なのでSowing the seedsと植物を連想させる言葉を使っているなかなかよいコピーだと思います。ただ、この画像とコピーはあまりマッチしていない印象を受けるのが残念です。社名から製紙業であることはわかるので、トップページの第一目的は果たせていると思いますが、欲を言えば「a sustainable future」の部分は「the」の方がいいかもしれません。

 

 

昭和電工株式会社

There is a future that doesn’t exist in nature.

第一印象は少し怖い感じのコピーです。日本語のコピーと似た意味なので、本当にそういう意味なのだと思うのですが、英語では特に “in nature”の部分が「自然」という意味ではなく、「本質的」にという意味に捉えられるので怖さが増していると思います。ざっくり言うと、「この世に存在しない未来がある」
なんとなくホラータイトルっぽくないですか?futureとnatureが韻を踏んでいていい感じなのですが..

 

 

信越化学工業株式会社

Contribution to the Earth’s Future

 

このような言い回しは、よく日本人が書く英文にあるので、日本人の感性なのかもしれませんが、英語脳で考えた時には傲慢な考えだなという印象を受けます。その根本にあるのは、地球は人間とは別の存在ということです。地球の未来というのは何億年単位の話。人間ごときがどうこうできるものではありません。地球上に暮らす動植物の未来、もしくは地球上の全人類の未来に貢献するというところを伝えたいのかなと思うのですが、ただ、日本語だと「全人類の未来に貢献する」と書いたほうが大事に聞こえますね。

 

以上、コーディネーターとして日々英語に携わる私の観点で述べてきました。当社にはネイティブのコピーライターも在籍しておりますので、海外向けの制作物に関して、お気軽にご相談ください

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