機械翻訳でもAI翻訳でも人間翻訳でも、翻訳は基本的に原文を、それに呼応する別の言語に置き換える作業です。
日本語で作ったウェブサイトを英語に置き換えたら英語ウェブサイトになるとお考えの方にここで一つ注意してもらいたいことがあります。
実は単純に言語を置き換えられないことって多いんです。
一番多いのはスペースの問題
日本語ではコンパクトに納まっても、英語ではそうは行かないことが多いです。
例えばこんな感じでボタンを作ると・・・
英語にした場合、
上記のように、こんなに横に伸びちゃいます。これでは、収まるところに収まりませんよね。スペースが十分にあった場合でも、日本語の三文字ずつで揃えていたものの長さが変わるのでバランスが悪くなってしまいます。こんな場合は、デザインを変更するか、略号を作って対応するなど、訳すだけではない工夫が必要になってきます。例えば、
こんな感じで略号を使用すると、収まりはよくなります。しかし、実際ネイティブにもこれが何の略なのか前後関係がなければ分かりません。ですから、このボタンの前にlactic acid bacteria (LAB)とかbuyrate-producing bacteria (BPB)など文章中にヒントを加えてあげる必要があるわけです。これはもう翻訳ではなく文章の制作・ライティングの領域となります。
デザイン変更で対応するなら、ボタンをやめてパネルにしたり、箇条書きにしたり、もっと自由に対応可能ですが、スペースの問題が発生するたびにデザインで対応していると当然コストが跳ね上がってしまいますので、なるべくならテキストで吸収してしまいたいところですね。
もちろん、スペースの問題以外にも多くの問題がありますが、今日はここまで。
次回以降もお楽しみに。