CJコラム

AI Overviews 時代の英語サイト戦略:海外ユーザーに届くための新常識

最近、Googleで調べものをしていると、これまでとは明らかに違う行動を取っている自分に気づきました。
検索結果の一番上に、複数のページから抽出された要点をAIがまとめた AI Overviews が表示され、知りたい情報が最初から整理された状態で出てくる。
そしてその要約を読むだけで「もうこれで十分だな」と感じ、リンクを開かずに調べものが完結してしまうことが増えています。

Googleはこの新しい検索体験を SGE(Search Generative Experience) と呼んでいます。
検索が「一覧から選ぶ」ものではなく、「最初にAIが答えを返す」ものへと根本から変わりつつある証拠です。

この変化は便利さの向上にとどまらず、企業の情報発信、とくに海外向けの英語サイトに大きな影響を与えます。
なぜなら、海外ユーザーが日本の製品やサービスについて調べるときは、当然ながら 英語検索 を行い、その検索でも AI Overviews が表示されるケースが増えているからです。
つまり、

AI Overviews に引用された英語ページだけが、海外ユーザーとの最初の接点になる。

英語ページがあっても、AIに参照されなければ検索上は“存在しない”のと同じ状態です。

では、なぜGoogleはこれほど急速に検索のAI化を進めているのでしょうか。
その背景には、ChatGPTの登場によって「調べものの入口」がGoogleから外部AIへ移り始めている現実があります。
ユーザーがAIで完結すれば、Googleの検索ページは開かれず、広告も表示されません。
検索広告はGoogleの基幹ビジネスであり、この未来は絶対に避けたいのです。

さらに、検索行動はSNSや動画に分散しています。
TikTokで旅行情報を探し、Instagramでトレンドを調べ、YouTubeで商品のレビューを見る。
こうした行動が一般化し、Googleは検索の入口そのものを奪われつつありました。
その状況を取り戻すための手段こそ、“検索 × 生成AI”という新しい検索体験であり、SGEはその中心にあります。

こうした背景を踏まえると、企業の英語サイトに求められる役割はこれまでとは明確に変わっています。
海外ユーザーは企業サイトに到達する前に AI Overviews で結論を得てしまい、
AIが参照した情報だけがユーザーに届く という構造が生まれているからです。

従来の英語サイトは「海外ユーザーが読むこと」を想定して作られていましたが、
いま求められているのは “海外ユーザーが読む前にAIが読む” という新しい順番です。
AIは曖昧な文脈を補完してくれず、情報が分散していたり、背景が不足していたり、不自然な英語表現が使われていると、正しく理解されません。
その結果、どれだけ丁寧な内容であっても、AI Overviews に引用されず、検索結果上から姿を消してしまいます。

ここで、非常に重要な視点があります。

一度AI Overviewsがスタンダードになれば、多くのユーザーは

「まずAIから結論を得てから、必要があればリンクを開く」
という流れに慣れてしまいます

その時、AIに拾われない情報は、どれだけ丁寧に整えられていても、ユーザーの視界に入ることすらできません。

だからこそ、検索の入口がAIへ移っていく現在、企業の英語サイトは
海外ユーザーに読んでもらう前に、AIに選ばれること”
を前提に設計しなければならないのです。

この視点に立つと、英語サイトの課題がより明確になります。

これらはすべて、AI Overviews の参照対象から外れる理由になります。

いま求められているのは、単なる翻訳ではなく「英語情報そのものの再構築」 です。
背景を補い、論理構造を整え、一次情報を明確に示し、英語として自然でありながらAIにも理解されやすい形に編集すること——。
こうした要素がそろって初めて、英語サイトは “AIに選ばれる情報” になります。

AIが答えを先に返す時代において、英語サイトは
「英語で載せておけばよい」ものではなく、
「AIに理解され、引用されるレベルで整える」ものへと役割が変わりました。

この変化は急速であり、そして不可逆です。
AI Overviews が当たり前になっていく今、企業の英語サイトは新しい前提で作り直すことが求められています。

次回は、この背景を踏まえ、
SGE時代に“選ばれる英語サイト”をどう整えるか を、
構造・英語表現・FAQ・E-E-A-T・一次情報の扱いなど、実務視点で具体的に解説していきます。

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