仕事として発生している産業翻訳における機械翻訳の利用度合が飛躍的に向上しています。
翻訳ソフトに始まり、AIを使ったニューラル機械翻訳エンジンまで様々なレベルのものが利用されています。
Computer Assist Tool (CAT)を使った翻訳でも、機械翻訳(MT)から取り込んだ仮翻訳を翻訳者が翻訳し直すという作業ができます。
これは、翻訳という作業が生産性を求められている昨今の状況で注目されているプロセスと言えます。
翻訳の仕上がりに求められているレベルは目的によって異なりますので、内容が分かる程度のドラフト翻訳であれば、翻訳ソフト等で目的は達成するでしょう。
一方で、対訳という意味での翻訳を超えた自然で訴求力のある文章が要求されている仕事では、翻訳の他にライティングが必須となってきます。通常、仕事での翻訳で要求されるのはその業界で使用されている専門用語等の統一性や、ライティングスタイルといった表記方法の順守です。ニューラルMTエンジンは日進月歩なので一概に言い切ることは難しいのですが、現時点では企業が要求する用語統一性についてはまだ弱いように感じています。
そこで注目されているのが「ポストエディティング」です。
機械翻訳で一度翻訳した文章を人間が再編集していくというプロセスです。
各企業や各製品ごとに違った命名がされているため、同じものを指す名前でも異なる用語を使用している場合が少なくありません。
機械翻訳を行って、意味は通じるし間違ってはいないけど、もう少しだけ自社の言い方にしたいという際に、利用できる作業方法です。
「Webサイトを自動翻訳機能で翻訳しただけでは、意味はわかるが会社の良さが伝わらない。しかし、新規で全翻訳する時間もコストもかけられない。」と考えているケースでは、一度試してみる価値があるかもしれません。どんな場合でもMTエンジンが適しているかは大事なので検証は必要です。