この数年間、中華圏への市場進出をどのようにするかは日本企業の課題になっています。
より適切なサービスや情報を提供するために、各地域によってそれぞれ違うWebサイトを作ろうと考えてませんか?
中国・台湾・香港の文化は似ていますが、Webデザインにはどのような違いがあるでしょうか?
そこで、今回は中国・台湾・香港のWebサイトデザインを見てみます。
航空会社
(左から)
・中国:春秋航空↗︎
派手な色をいっぱい使っています。賑やかな雰囲気です。メインビジュアルやバナーなどのデザインも、台湾と香港のサイトより楽しい雰囲気です。
・台湾:EVA AIR(エバー航空)↗︎
主調は白やベージュ、全体的に柔らかくて優しいイメージです。メインビジュアルやバナーなどは、よりカジュアルな印象です。
・香港:國泰航空有限公司(キャセイパシフィック)↗︎
緑をメインカラーとして、白やグレーを補助の色で、コントラストが強く、メリハリがあるイメージです。メインビジュアルやバナーなどは、さらにシンプルで落ち着いたイメージです。
旅行会社
(左から)
・中国:中国国遊(CITS)↗︎
こちらのサイトにも派手な色を多く使っています。賑やかな印象です。そして、コンテンツ量が多く、派手な色を加えて強調しているところが多すぎで、詰まって見えますね、少し読みにくいです。
・台湾:鳳凰旅遊(Phoenix Tour)↗︎
白を主調に使っています。明るいサイトです。コンテンツの量は中国サイトより少なく、シンプルなデザインで読みやすいです。
・香港:專業旅運(Travel Expert)↗︎
黄色をメインカラーとしたサイトです。コンテンツの量は台湾サイトと同じぐらいですが、パーツのサイズがより大きく、さらに強いイメージです。
銀行サイト
(左から)
・中国:平安銀行↗︎
ロゴのオレンジ色がベースのサイトです。他の中国サイトと同じようにコンテンツ量が多く、派手な色を多く使います。
・台湾:國泰世華銀行(Cathay United Bank)↗︎
緑をテーマカラーとして、明るくて生き生きとした印象です。コンテンツの量は中国サイトと同じぐらいですが、ホワイトスペースは広いから、見た目が気持ちよく、読みやすいです。
・香港:恒生銀行(Hang Seng Bank)↗︎
白をベースとして、色数も抑えています。シンプルで洗練された印象です。サイトのコンテンツ量はこの中で一番少ないです。
まとめ
これを見るといくつかの違いに気づきました。
中国のサイトは派手な色を多く使い、賑やかな雰囲気が特徴です。コンテンツの量が多いサイトが主流のようです。
台湾サイトは中国と香港のサイトの中間の感じですね。明るい色を使用し、生き生きとしたイメージのサイトが多いです。香港のサイトと共通点が多いようです。しかし、台湾と香港の言葉には少し違いがあるため、気をつけた方がいいと思います。
香港のサイトはコントラストがある、色数を抑えた、シンプルで洗練されたサイトが主流です。コンテンツの量も中国と台湾のサイトより少ないです。
では一体なぜこのような違いがあるでしょうか?
これは文化の違いだと思います。
まず、中国人は華々しいことを好きな傾向があって、派手な色は喜び、良いという意味があります。且つ、中国のサイトはお互いに影響しやすいです。一つのサイトがこのようなデザインをして、大きな成功を得たら、他のサイトも似たようなデザインをする事がよくあります。
例えば中国で一番有名なネットショッピングサイトのTaobao↗︎。他のネットショッピングサイトはTaobaoの影響を受けて、京東↗︎、当当↗︎、苏宁易购↗︎など、Taobaoと似たようなデザインが見受けられます。
台湾には中国の文化を元に、日本の影響も受けています。明るい、優しい雰囲気が好きなようですね。そのため、台湾のサイトで使用された色は、中国のサイトに共通点がありますが、色数と彩度は抑えて、浅くて明るい色を主に使っています。
そして、香港は欧米の影響と中国文化を混ぜて、派手な色を使ったサイトでもありますが、色数は抑えています。落ち着いた、シンプルなデザインが好きなようです。なお、香港人の生活リズムの影響かもしれませんが、サイトのコンテンツ量も抑えられていて、すぐ欲しい情報を得るため、メニューやタイトル、ボタンなどは文字数が短く、内容や機能がすぐわかるようにしているのがメインポイントとなります。
中華圏の文化は似ているけど、馴染みあるデザインスタイルや方向性は違います。
できれば各地域によって、それぞれ違うWebサイトを作る方がいいと思います。当社には、アメリカ人、中国人、香港人とネイティブ社員もおりますので、いろいろな視点で考察し、制作が可能です。お気軽にお問合せください。