国が違えば決済事情も違う?!~越境ECと中国のオンライン決済アリペイ(支付宝)について~
越境ECという言葉をご存知でしょうか?
越境ECとは、インターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引のことを言います。
越境ECの市場規模は年々拡大しています。経済産業省は、越境ECの世界の市場規模は、中国とアメリカを中心に2020年まで毎年、対前年20%以上で成長し、2020年には9,940億USドル(約110兆3,000億円)の市場になると予測しています。(経済産業省 平成 29 年 4 月発表「平成 28 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備、電子商取引に関する市場調査」より)
この背景には、スマートフォンが世界中で普及したことにより、海外の商品であっても誰でも、手軽に購入できるインターネット環境が整ってきたことや、中でも中国人ユーザーの高い消費意欲が世界の越境EC市場を牽引していることが挙げられます。
そこで今日は、海外のECサイトに目を向けて、ほとんどの日本人が持ったことも使ったこともない中国のオンライン決済アリペイ(支付宝)とはどんなものなのかを、超・簡単にお話ししようと思います。
なぜ、クレジットカードではなくアリペイ(支付宝)なの?
一言で言うと、消費者にとって安心して支払いができる決済サービスなのです。
アリペイ(支付宝)のしくみ
①アリペイ決済で商品を購入します
②ユーザーのアリペイ口座から商品分の料金が凍結(凍結後料金は動かせない)します
③アリペイが店舗に「料金の凍結」を通知します
④店舗がユーザーに商品を送付します
⑤ユーザーが商品を受け取り、アリペイに「商品受領の連絡」を行います
⑥アリペイがモール側に商品料金を送付します
中国は偽物やコピー商品が多く出回っている経緯があり、クレジットカード等、通常の決済方式では、偽物が送られてきても、ユーザーは決済してしまった後なので、どうする事もできません(当然かもしれませんが、そのような商品を売っている店舗とは連絡がつかなくなることが多いようです)。
しかしアリペイ(支付宝)であれば、商品を確認してから支払う事ができるので、支持されているのです。もちろん、売り手にとっても代金未収リスク回避というメリットになります。
と、なんだかアリペイ(支付宝)の宣伝のようなコラムになってしまいましたが、「商品が偽物かもしれない」「店舗と連絡がとれないかもしれない」といった心配をしながら買い物をするといった感覚は日本ではあまりないため、とっても興味深いなと思いご紹介いたしました。
国が違えば文化や生活環境も違い、その結果決済方法の違いも生まれると思うと、他の国はどうなんだろうと色々調べてみたいと思いましたので、またコラムにできれば良いなと思っています。どうぞお楽しみに。