CJコラム

多言語翻訳はAIのニューラル機械翻訳で全て解決できるか?

ニューラル・ネットワークを用いた機械学習の精度が向上し、ディープラーニングと呼ばれるパターン学習の水準が飛躍的に高まりました。
これを翻訳に応用しているのが、ニューラル機械翻訳と呼ばれるものです。
このAI翻訳の分野は日進月歩、日々進化を遂げていることは間違いありません。
今回のコラムでは、進化過程のニューラル機械翻訳をいかに今の翻訳ビジネスに生かしていけるのか?この点を考えてみたいと思います。

ツールを使用したCAT(Computer Assisted Translation)の場合でもそうですが、やはり全世界的な言語使用数としては、英語やスペイン語、フランス語が多いように感じています。日本語を基軸として考えた場合、まだまだ統計的サンプル数は少ないのは事実のようです。
こうした事もあり、Google翻訳などでは流暢さは飛躍的に向上したものの、訳語としての整合性ではまだ完全とは言えない状況かもしれません。

しかしながら、こうした便利なツールが開発され、しかも日々成長を遂げている中、うまく利用することはできないか、誰もが考えていることでしょう。注目されているのは「ポストエディティング」という仕事です。機械翻訳でドキュメント全てを仮翻訳して人間が見直しと再編集していくというものです。

大量翻訳の仕事の場合には、全て新規翻訳していては日数もコストも高くついてしまいます。
しかし、このポストエディティングでは一度全翻訳するため、翻訳総量はいったん片付き、クライアントの要望する用語統一やUI指定等を検証していくことを作業の中心としていける可能性が広がります。とくに、Webページの翻訳などでは階層が深くテキスト量が多くなる新規制作では用語統一等の整合性は必須の課題となります。

ニューラル機械翻訳を取り入れて、翻訳の効率化を検討する際には、「ポストエディティング」や「バイリンガルチェック」はますます必須課題となるとおもいます。

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