「英語ってどう学ぶのが良いのでしょう??」
バイリンガルであることを前提にお仕事をしていると、頻繁に聞かれます。
昨今の英語公用語化の波も手伝って、英語を習得しようとする方はたくさんいらっしゃると思います。ビジネスで使用する・しないは別としても、英語で自分のアイディアや考えを表現できるということは、とても楽しいことですよね。英語のベストな学び方は人それぞれ、個々人の性格やライフスタイルによって様々だとは思いますが、ここでは私にとって、とても効果的だった「勉強法」をご紹介します。
それは、シトコムを見ることです。さらに言えば、お気に入りのシトコムをみつけることです。
ところで、「シトコム」ってご存知ですか?シチュエーションコメディ(Situation Comedy)の略で、海外のテレビ番組ジャンルの1つです。世界各国で制作されていると思いますが、ここでは私自身馴染みのあるアメリカのシトコムについてお話ししたいと思います。
シトコムを和訳すると「連続ホームコメディ」となるようですが、日本でも放送されていた「フルハウス」「ダーマ&グレッグ」や、アメリカで大ヒットとなり、日本でも知る人ぞ知る「フレンズ」もシトコムです。テレビ社会と言われるアメリカでもシトコム人気は高く、というより一大ジャンルとして確立されていて、各大手テレビ局でも曜日代わりでゴールデンタイムに、シトコム2~4本、その後にドラマ、という番組編成が多くみられる程です。
さて、何故シトコムが英語学習に良いのでしょうか?
まず、ほとんどの場合、日常の生活に基づいたストーリーであるためです。
人気番組「フレンズ」を例にあげますと、6人のベストフレンドが織りなす日常をテーマにした物語で、友情・恋愛・キャリアなど、誰にでも親しみやすい内容がベースにあります。ストーリーが展開する場所も主人公それぞれの部屋、行きつけのカフェ、職場など、基本的には限られています。こうした日常に基づいた物語構成や、限定されたおなじみの場面設定は、「フレンズ」だけでなく、多くのシトコムの共通点です。日々の生活を描いたストーリーなので、会話の内容もおのずと生活に密着したものになります。例えば、女性同士で昨日のデートの話をしていたり、男性同士で仕事の話をしていたり。難しい話でもなければ、その中で使われる言葉も普段の生活の中に出てくるようなものばかり。つまり、理解しやすく、とても実用的なのです。「ER」などの医療ドラマや「CIS」などの科学捜査ドラマ、私も大好きですが、専門的で判らない言葉が多い上に、覚えても使う機会がなかなかないんですよね。
シトコムは、会話もテンポよく進みます。英語を聞き取ろうとしている時、ほんの一言が聞き取れず、一度つまずいてしまうと、その後に続く言葉も全然聞き取れなくなること、ありませんか?私にはよくありました。シトコムの場合、ストーリーのテンポがよく、会話のキャッチボールが多いので、一度つまずいても、チャンスが再び、すぐにやってくるのです。また、コメディーなだけに、やや大げさな仕草や顔の表情、その場のシチュエーションなどで状況が読み取れるので、多少言っていることがわからなくても大丈夫。言葉や表現そのものだけでなく、状況によってどの言葉をどういうトーンでいうかも参考になりますよ。同じ「Sorry」でも、言い方によって意味は全く異なりますから。極めつけは、観客の笑い声。これもシトコム最大の特徴の1つ。収録を見に来ている観客の笑う声がそのまま入っているので、ジョークを言っている時や、会話のオチなど、おのずと示されているのです。
ちなみに、人気番組になると、ウェブサイトで台本(トランスクリプト)が見つかる番組もあるので、じっくり読みながら見たいという方には特に便利。
番組の尺は30分。多くの場合、エピソード毎にストーリーが完結するというのもよいですよね。画面に見入って、一生懸命聞き取ろうとしますので、1時間はちょっと長い。。。30分(オープニング、エンディング、CFがあるので、実質25分あるかないか)であれば、疲れ過ぎず、比較的集中力も続く範囲かと。もっと見たい、と思うところで終わるので、継続するには丁度良いのです。また、「フレンズ」など人気のあるシトコムになると、ハリウッドの大物俳優・大物女優がゲスト出演することも多々あります。知っているスターが登場するのは、嬉しいサプライズですよね。
次が見たい、もっと見たいと思うと、台詞もどんどん聞き取れるようになりますよ!本当です!!ぜひお気に入りのシトコムを見つけて欲しいです。
最後になりますが、私が個人的に気に入っているシトコムをいくつかご紹介します。(どれもAmazonなどでDVD購入可です)
■Friends「フレンズ」
男女6人の友情や恋愛、キャリア、ファミリーなどをユーモラスに描いた、大ヒットシトコム。6人のそれぞれ個性溢れるキャラに、味のあるサブキャラや大物ハリウッドスターのゲスト出演などが加わり、全く飽きのこないシリーズです。使われている英語は判り易く、シトコム初心者の方でもスムーズに楽しめると思います。皮肉まじりのジョークを連発するキャラクターもいて、うまく聞き取れてジョークが判ったときなど、快感です。
■Seinfeld「となりのサインフェルド」
中年男女4人が織りなすマンハッタンライフ。90年代のシトコム最高峰という声もあるほど人気のあったシリーズ。プロデューサーであり、主役を演じるジェリー・サインフェルドの天才的な脚本は、一見の価値ありです!使われている英語は、時に難しい表現なども入りますが、独特のリズムで進行するストーリーとシュールなジョークで、シリーズが98年に終了してからも、根強い人気を誇ります。
■Growing Pains「愉快なシーバー家」
■Full House「フルハウス」
どちらもホームドラマ・コメディー。子供たちが成長する過程で経験する苦い思いや試練を、ユーモラスに描いた作品。日本では、どちらもかつての「教育テレビ」で放送されていて、私は(たしか)高校生の時に見ていました。小さい子供がいる家族の心温まるストーリーなので、英語も比較的簡単。特に大人が子供に語りかける時などは、とても聞き取りやすいですよ。