前回のライター紹介に続き、日頃海外向けウェブ、広告制作物のコーディネーション業務に携わる3人の本総研スタッフの紹介を致します。
「一本の広告を複数の言語で展開する多言語案件の制作ディレクションに関わって早5年」というチーフコーディネーターの吉田徹は幼少期を海外で過ごし、その後アメリカの大学院で学び、日本語の講師をしてきたという経歴の持ち主です。曰く、「振り返るといつも複数の言語が飛び交う環境に身を置いていました。きっとそんな流れに抗うことなく、今の職場に辿り着いたのだと思います」。彼は、この世界は長く関わるほど、そこには言語の相違以上の奥深い存在を感じると言います。また、「文法構造や単語選択の背景には、その国で長く培われた文化や人々の意識の反映があることを思うと、国境を越えて一つのメッセージを発信することの難しさを痛感する」とも語っております。英語と日本語のみならず、仏語や中国語などの多言語にも知識がある吉田だからこそ、感じられる奥の深い世界というものがあるに違いありません。彼の言葉との格闘の日々はまだまだ続きそうです。
新たにGlobal Insightsの執筆メンバーとなった山下由希子は、カリフォルニア州の大学を卒業後、ロサンゼルスを拠点に撮影コーディネーターとして、TV番組やCMの制作に携わるという経験を持っています。すぐれたオーラルスキルと独立独歩で精力的に仕事をこなす彼女は、帰国後、当社に入社し現在に至ります。「実は“英語が話せる”という、今振り返れば安直な理由で始めたコーディネーターの仕事ですが、最初は言語や文化の壁を超えてメッセージを伝えるということの奥深さに圧倒されました。今にして思えば私の考えていた“話せる”とは、情報の伝達ができているという、最低限のレベルだったのかもしれません」と、以前の自分を振り返ります。「今は、情報伝達だけでなく、お客様の思い・情熱・心を世界の人々に伝えるお手伝いがしたい」と語っており、熱い思いを胸に日々奮闘中です。さらなる活躍が期待されるコーディネーターです。
最後に簡単な自己紹介をさせて頂きます。英文広告総合研究所所長を兼務するシニアコーディネーターの中溝俊哉は、6年におよぶ渡米期間(1988-1994)中、滞在先ニューヨークにて産業翻訳と日本語教師を始めたのをきっかけに言語関連のビジネスに向かいました。1995年より当社にて英文広告のコーディネーター業務を手掛けて以来、16年にわたり国内の主要企業の海外向け広告物、特に英文コピー/スローガン開発のためにネイティブ・ライターへのディレクションやコーディネーションを行ってきました。「外国人読者にとって違和感のないウェブサイト構築を目指して」と題するセミナーや関連コラムの執筆なども手掛けています。普段英文コピーの制作に主に関わっていますが、「日本人の日本語による意思伝達の質の低下」を憂慮しており、「真に伝えられる日本語」の論理性の点検が、実は英語を通してできる面もある、という持論があります。これまで国語教育で重要視されてきた種類の「すでに書かれた他者の言葉の解読力」といった想像力の鍛錬も必要ですが、「これから書こうとするわれわれの文章の伝達力」を磨くことで、他人に「無理な解読」を強いることは少なくなると考えています。「急げばこそ、丁寧な文章はむしろ近道。受け手の立場に立ってのメッセージ発進は、誤解に満ちた世界を変えられる」という信念を持って日々作業をしています。
三者三様のバックグラウンドや特性がありますが、今後英文ライターと交代でコラム執筆を行って参ります。暖かいサポートを宜しくお願い申し上げます。