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コラム

21_21 DESIGN SIGHT 企画展 「REALITY LABー再生・再創造」展

12月7日、三宅一生氏ディレクションの展覧会「REALITY LABー再生・再創造」展を見に、六本木のミッドタウンまで。
運良く三宅氏と浅葉克己氏のトークセッションも聞くことができた。

きめ細やかで質の高い、世界に誇る日本のものづくり。
しかし今、日本の産地は人材流出や工場閉鎖などこれまで以上に厳しい状態にある。同時に地球環境や資源の課題はこれまで以上に深刻である。
そんな時代の課題をデザインはどのように解決できるのだろうか。デザインのあり方や可能性について共に考える、というのが展覧会のテーマだった。

リサイクル、エコという言葉はよく聞くが、「環境のため」という大義名分を与える必要のないほど、簡単には真似の出来ない技術と斬新なデザイン性を兼ね備えた商品というのは、まだそう多くはないのだという事を私は改めて感じた。

「132 5. ISSEY MIYAKE」は一枚の布でできていて、基本的には捨てる部分がない。コンピュータープログラミングで起こした複雑な立体造形は、畳むことができ平面になる。素材はペットボトルやポリエステル素材を再生して造られた、再生ポリエステル素材を使用している。
そんな前提を説明する必要がないほど、出来上がった洋服は、斬新でおもしろく、魅力的だった。

ただ、そんな技術を駆使した商品を作り上げる、ということを想像するだけで、反射的に、膨大にかかる研究開発コストや時間は、現実的に可能なのか?と思ってしまうが、どんな企業も研究開発をしない所はダメになっていっている、 と三宅氏はいう。そうしなければ、世界に発信できるような商品は作れないし、すぐに真似されてしまう。

そんな三宅氏の話で一番印象的だったのが、「量産する事の美しさに憧れた時代、みんながジーパンを履く様な時代がきっと来ると思っていた。そしてもう20世紀のようには生きる事が出来ない時代に来ている」という言葉だった。私は高度成長の最中、すでにみんながジーパンを履いている時代に生まれ、量産に憧れた事もない。そんなことは考えた事もなかった。
今また、大きく時代が変わってきていて、その変化に対し日本の新しい技術を用いて、デザインの可能性を追求し、それを実現する三宅氏の姿にとても感動した。

その他展覧会メモ

◎三谷 純+WOW
オリジナルCGアプリケーションを活かした立体折り紙の第一人者、三谷純氏とCGによる再現が簡単ではない曲線折りの映像描写に挑んだWOWは独自の表現を含めながらソフトウェアを開発。
三谷 純

WOW(ヴィジュアルデザインスタジオ)

◎東レ水なし印刷
印刷工程で版自体がインクをはじく特製を生かし、水を用いることなく印刷を行なう「水なし印刷」。印刷時に発生する廃液料を圧倒的に少なく出来るなど画期的な技術で、インクが水でにじまない事から、発色の良い金・銀、高精細な印刷物を実現出来る。

 

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