Webサイトのアクセスランキングを比較すると見えてきたこと
みなさんは、Alexa http://www.alexa.com/ というサイトをご存知でしょうか?
アメリカのSEO・マーケティングリサーチサイトで、世界中のWebサイトのアクセスランキングが閲覧できます。
各国のランキングを比較してみると、その国独自の文化や習慣のようなものが浮かび上がってきて、なかなか興味深い結果が得られたのでご紹介します。
今回は日本、中国、香港、台湾、韓国の5カ国をピックアップし、比較しました。
こちらの図表は、各国のアクセスランキングの20位までをカテゴリーごとに色分けしたものです。
考察結果
東アジアはポータルサイトが豊富
今回調査した5カ国では、Yahoo!のようなポータルサイトがアクセスを多く集めており、その種類も豊富です。
しかしその中で日本だけ、ユーザーの多くがポータルサイトで情報を得るためか、新聞社などのニュース専門サイトのランクインがほとんどないという点が近隣諸国と大きく異なっています。
日本ではTwitterなどのSNSから各ニュースサイトへのリンクをたどることも多いため、突出してアクセスを集めるニュースサイトがないとも考えられます。
日本のSNS事情
Facebook、Twitter、Instagramなど、世界的に人気のSNSはアジア圏でもメジャーです。例外として、中国では海外企業が運営するSNSのアクセスができないため、Weibo(微博)などの国内SNSが発展しています。
Facebookは世界No.1のシェアを誇るため、東アジアの各国もやはりSNSではFacebookが一番アクセスが多いのに対し、日本のみTwitterの利用がFacebookを上回っています。
日本人のTwitter利用は、アクティブ率の高さや最高秒間ツイート数の記録更新など、アメリカのTwitter社員も驚くほど。
・日本語は140文字の制限の中に情報をより多く詰め込める
・東日本大震災をきっかけに情報収集が重要視された
・リアルでは言えない本音が言える
など、日本ならではの国民性や社会的背景が大いに関係しているといえます。
ブログも根強い人気
SNSの台頭により、ブームが過ぎたように思われた各種ブログサービスですが、FC2、アメブロ、はてな(23位)などのランクインから、まだまだ根強い人気があることがわかります。
SNSでの「タイムラインに流す」という情報共有が主流である反面、ブログは「情報の保存」という意味で重宝されているように見えます。まさにブログの語源である「log」の意味を再確認させられました。
韓国のYouTube人気
今回調べた中で唯一、1位が検索エンジンでなくYouTubeだった国が韓国です。
GoogleやFacebookなどの並み居る強豪を押しのけ、YouTubeが1位になった理由は何でしょうか。
まず大きな理由として、韓国では有料の動画サービスより無料の動画サービスを好む割合が、他国と比べてとても高いです。(表1)
約9割ものユーザーが無料動画を利用しており、NetFlixなどの有料動画サービスを利用する人はあまり多くないようです。(表2)
(表1)
(表2)
総務省 平成28年版情報通信白書 ネット動画視聴の広がり
図表3-2-2-6 インターネット動画サービスの利用経験
図表3-2-2-7 動画を視聴する際の考え方 より引用
YouTube以外の無料動画サイトが、日本でいうニコニコ動画のような規模を持っていないこともあり、動画を観たいユーザーがYouTubeに集中したと考えられます。
さいごに
各国のWebサイトの利用状況を比較することで、日本におけるインターネットの使われ方が新たな視点で見れたような気がします。また、韓国をはじめ東アジア圏全体的に、デジタルコンテンツにあまりお金をかけない傾向にあることもうかがえました。
本コラムは東アジアを取り上げましたが、アメリカや東南アジアなどもまた違った特徴があり、比較してみると面白いです。
参考サイト
Digital in 2017: Eastern Asia | We Are Social Singapore
https://www.slideshare.net/wearesocialsg/digital-in-2017-eastern-asia
平成28年版情報通信白書 ネット動画視聴の広がり | 総務省
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc132230.html