海外向け、特に欧米に向けたWebサイトをデザインする場合、デザインはよりシンプルな方が良いとよく言われます。実際日本とアメリカのWebサイトを比べて見るとその違いが良く分かると思います。
参考:海外で好まれるWebサイトデザインの検証~文字が多い日本、シンプルなアメリカ~
文化や考え方、感じ方の違いがあればデザインの好みも違うものになるのは当たり前のこと。
では、なぜWebサイトのデザインはシンプルなものが好まれるのでしょうか。
目的が明確である
さまざまな理由が考えられる中、外国人のスタッフとサイト制作をした時に強く感じたのは“Webサイトに訪れる目的が明確である事”です。
明快な目的を持ってサイトに訪れるユーザーは、訪れたサイトが目的のサイトであるか、自分が求めている情報があるのかを瞬時に判断するため、シンプルで分かりやすいことが重要で、情報量が多く複雑で分かりにくいものを敬遠する傾向にあるのです。
シンプルで分かりやすいことが重要なのは、グローバルナビゲーションなどのコンテンツへの誘導にも深く関係があります。欲しい情報にたどり着くまでの導線は、極力早く、簡単にたどり着けるべきであると考えられ、無駄な装飾や選択肢を少なくすることを求められます。特にECにおいては、何かを購入してもらう際に選択肢が少ないほうが購入率が上がることは科学的にも実証されているそうです。
そして、コンテンツそのものにおいても、長い文章でダラダラ説明するより短い文章で完結であることが良いと言われます。脳科学的には、人間は表示要素の20%程しか記憶に残らないと言われています。この20%の中で何を見せるのかがとても重要になるということです。
シンプルなデザインが注目されているのは欧米に限った話ではなく、ここ数年日本でもフラットデザイン、ミニマルデザインとう手法や考え方が定着しつつあります。早く簡単に欲しい情報に辿り着くことの重要性が理解され、シンプルなデザインのWebサイトが増えてきつつあります。
しかし日本ではまだデザインや情報量を最小化することに対する抵抗があることも事実です。細部に渡り親切丁寧に説明するなど、情報量が多いことが良いとされることも少なくありません。
また、日本の企業の中には、日本人に向けた考え方をそのまま英語サイトなどに反映してしまっているサイトを見かけることがあります。親切なつもりが、見る側にとってはストレスになることもあるので、ユーザーのことを考慮した情報設計を心がけましょう。
Less is More
Less is More より少ないことは、より豊かなこと
デザイン業界では昔から良く使われている言葉です。デザインのシンプルさを追求し、ミニマルにすることは古くから重要視されています。
YesかNoか、その中間の曖昧な答えを嫌い、シンプルでクリアな考え方を持つ欧米人にはシンプルなデザインが好まれる。
当たり前のように思えることですが、ユーザーのことをちゃんと理解しシンプルな情報設計にすることが、欧米人に好まれるWebサイトを制作するにはとても重要なことなのです。