観光庁「訪日外国人消費動向調査」が改訂されます
訪日外客の消費動向がわかる唯一の公的データである観光庁の「訪日外国人消費動向調査」が、2024年4月-6月データから新しい目的を持って改訂されます。2024年4月5日付けで報道発表された本件について、発表資料を基にどう活用できるようになるかについて紐解きたいと思います。
公表される資料の大きな変化は「個票データの公開」です。
これまでの訪日外国人消費動向調査として公開されていたのは、集計結果のみでした。
集計結果は、今までと同じ形で公表される点は変わらず、この集計結果のデータソースも公開されるという改訂になります。個票データは、実はこれまでも公的機関やその共同研究者だけには公表されていましたが、2024年4月-6月データ以降は、一般も広く公開される(事前に利用申請が必要です)ことになり、これは非常に大きな意義があります。
個票データがあることで、データを見る切り口を自由に設定し、知りたいことをよりピンポイントに知ることが出来るようになるわけです。
例えば、「都道府県別に宿泊日数の中央値を出して、中央値近辺に母集団をセグメントして、特定分野の消費金額の平均を出すことで、よりリアルな客単価を知り、購入率が高い商品価格設定を行うこと」が個票データがあることで出来るようになります。
・・・と聞いても、『こういう目的でデータを見たいと思っても、統計の知識が無いから・・・』と思われる方は多いのではないでしょうか?
そこで活躍するのが、AIです。AIのデータソースとして個票データを投げ込み、対話型インターフェースを用意すれば、『○○ってどこの国の人に売れてるの?』といったような質問をするだけで、個票データとすでにAIに持たせているデータソースから、単なる統計以上の回答を返してくれることでしょう。
AI構築に多少知見がある方であれば、MicrosoftのAzure MLや、GoogleのDialogflowなどで上手い具合に作れてしまうことでしょう。
AIなんてよくわからない!という方も、ご安心を。
おそらくそのうち、Chat GPTなどのデータソースにも反映されてくるでしょうから、待っていれば個票データに基づいた知見を得られるようになることでしょう。日本の話なので、Fugaku-LLMのデータソースになる方が早そうですね。
2024年4月-6月個票データの公開は、2024年9月になるとのことで、待ち遠しいですね。