CJコラム

今、デジタル分野で海外向けに投資をしないのは下策

コロナウィルス向けワクチンの話題など、徐々に明るい兆しも見えてきている今の状況ですが、とはいえ、来年に延期されての開催を予定しているオリンピックの頃までに、果たして2019年のような生活・経済様式に戻れるかというと、甚だ疑問符が付くことでしょう。

 

当社のような小規模事業者は言うまでも無く、多くの企業において、元の状況に戻ることだけに賭けて、企業の様々な活動やあり方の根底的な部分を返ることなく耐えきるということは、まさにギャンブルでしかありません。

 

ロックダウンなどで、世界が分断されている現在において、まずは、流通に影響が少ない国内に目を向けてそこに投資注力するというのも当然一つの手ですが、それができる業界、業容もあれば、そうでないところもあります。国内に目を向けても良い目がなさそうであれば、やはり、海外に目を向ける事になるのですが、それが可能なのは唯一、インターネットを介したデジタル分野になります。

 

当社は、仕事柄、海外のビジネス状況については常に情報収集をしているのですが、国内で言うと、その主要なソースの一つはJETROです。ウェブサイトを見ていただくと、越境ECに関する記事やセミナーなどが目に付きます。JETRO自体が企業の海外進出を支援する事業を行っているため、その手のニュースが多いのですが、個人的な感覚として今年は特に多いです。(状況からすれば当然ですが。)

 

特に、オンライン展示会、オンライン見本市、オンラインパビリオンと、海外の大手ECサイトと政府機関が提携して実施するという、リアルからデジタルへのスイッチはあっという間に展開されていて、すでに各国多くの実績が挙がっています。このコロナ禍において、ワクチンもないのに数ヶ月で経済指標が底を打っているのは、実感はないかもしれませんが事実です。一時期のマスクや消毒液のような品不足はあっても、少なくとも日本国内において慢性的に長期間手に入らず、暴動や死者が生じるような物品はなかったと思います。それは何故かというと、個人的な実感レベルではともかく、世界的な経済活動は完全に分断され、機能不全になったわけではないということです。

 

今までオフラインでやっていたことが、オンラインで行われるように一瞬で切り替わり、以前と変わらずそこに売主買手がいる状況ができあがっています。漁場が完全に移ったわけです。これに気づかず、あるいは乗らず、『買手がいない』と嘆いているだけではないのか?と完全に今までの視野と違う方向に目を向けてみることも重要かと思います。
『買手がいなくなったのではなく、別の場所に移っただけ』だと。
そして、その販路を開拓するには、当然今までとは異なるコストが必要だということを。

 

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