CJコラム

国内外で拡大可能な、ECではない戦略性の高い販売手法

2020年6月にて終了した、経済産業省のキャッシュレス・ポイント還元事業による電子マネーの普及推進と、コロナ禍により急速に推進されている接触期間を極力減らす様々な企業努力(注文や会計をタブレット端末で行うなど)は、日本の実店舗では遅々として進んでいなかった合理化として、昨今では大きな変化であったと思います。

本来、これらはインバウンド政策において、国が民間企業に働きかけていたことではあったのですが、まさかこの推進がこうした現況への対応という形で行われるとはもちろんだれも想像していなかったことかと思います。

お客様はリモートで、店員が映像で繋いで商品を紹介するといった小売店舗や、Amazon などが先発していた無人店舗の開発もいくつかの日本企業のニュースでも見かけるようになり、店舗ではお客様も店員も必要最小限の存在であり、かつ、双方が不満ではないという画期的ともいえる風景に、不謹慎かもしれませんがポジティブな驚きを禁じ得ません。

 

最近の流行言葉を使えば、日本において初の大々的なDX(デジタルトランスフォーメーション)が起こっていると言ったところでしょうか。

 

この潮流は、コロナだからやむなしといった一過性ではない動きだと言えます。
そして、ECでも旧来型の実店舗営業と競合しない客層を開拓する定番として、定着する可能性が大いにあります。
我々の生活スタイルとして、ある職種においては親和性が高く、企業側も労働者側も許容しうるテレワークという業務形式は、通勤と昼食の一部を余暇に変えてしまいました。これはおそらく、企業、労働者双方が、元に戻すことに抵抗がある甘い果実です。
この隙間時間、店舗に出向くことには時間が足りませんし、仕事でPCを使っているのにECサイトを探し回る気分でもありません。これに当てはまる方々に心地よいのは、リモートショッピングであるのではないかと考えています。そして、これは、時差の問題はあるものの、全世界を相手にすることも可能です。特に、百貨店をはじめとしたブランド力がある企業は、ECという強力な外国勢と比較検討されない状況で戦うことが可能であるフィールドと言えるかもしれません。

 

今は面白がってメディアが取り上げていますが、リモートショッピングは、物珍しさ先行といった飛び道具ではなく、今最も注目すべき、長期的に投資の意義がある商機ではないでしょうか。

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