CJコラム

多言語版の制作の基本その4 ~曖昧さの原因は何?~

Google翻訳を使った「大山鶏とキノコのクリームパスタ」の英語は「Oyama chicken and mushroom cream pasta」でした。さらにGoogle翻訳でフランス語に翻訳すると「Pâtes à la crème de poulet et champignons Oyama」という結果となりました。

意味が徐々にズレてきた経緯については、以前のコラムでご説明しましたので、今回は英語からフランス語へ翻訳する際に生じた曖昧さの原因を見つけていきます。


「Oyama chicken and mushroom cream pasta」とはそもそも何でしょうか?

・第一の疑問点
「Oyama chicken(大山鶏)」と「mushroom cream pasta(キノコのクリームパスタ)」の2品がお皿に乗っているのか、「Oyama chicken and mushroom(大山鶏とキノコ)」の入った「cream pasta(クリームパスタ)」なのでしょうか?

・第二の疑問点
これは大山鶏というブランドを知らない外国人という前提ですが、「Oyama chicken and mushroom」の箇所が、「大山」の「鶏とキノコ」なのか?「大山の鶏」と(普通の)「キノコ」なのか?


Google翻訳では、これらの英語自体への疑問がフランス語では解釈が広がりました。
「Pâtes à la crème de poulet et champignons Oyama」
「大山の(鶏とキノコ)」の「クリームパスタ」や「大山のキノコ」と「鶏のクリームパスタ」のように読めます。

 

おそらく/ Oyama /と/ chicken and mushroom /の2つの要素、言い換えるとAとBとの修飾関係であるとGoogle翻訳は解釈したのだろうと推測できます。

 

翻訳が曖昧だ、間違っているという際、提供した元テキスト自体にもその原因が存在することも疑ってみる必要があるかもしれません。翻訳という作業が2つの言語や文化の橋渡しである以上、一方のみに責任があるとは限りませんので、注意が必要なのではないでしょうか。

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