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AI翻訳時代の翻訳チェック術:依頼者が知っておくべき品質の見極め方

近年、AI翻訳の進化は目覚ましく、Webサイトや資料を短時間で英文化する場面で大きな力を発揮しています。以前は人間の翻訳者に数日かけて依頼していた作業が、今では数分でドラフトを得られるようになりました。スピードとコスト削減の点では確かに有効です。しかし、AI翻訳だけで完成とするのはリスクが高く、「品質をどう見極めるか」が依頼者側にも問われる時代になっています。

ここでは、クライアントが翻訳品質をチェックする際に押さえておくべきポイントを整理し、AI翻訳+ポストエディットを効果的に活用する方法をご紹介します。

  1. 「意味が通じる」だけでは十分でない

AI翻訳をかけた文は、多くの場合「意味が何となく分かる」レベルには仕上がります。しかし、その英語がビジネスの現場で実際に使えるかどうかは別問題です。例えば、

  • 用語の不統一:同じ概念がページごとに異なる表現で訳される。
  • 文体の不一致:一部は丁寧でフォーマル、一部はカジュアル。
  • 文化的な違和感:日本語的な直訳が、英語圏では不自然に響く。

これらは意味が通じても、読み手に「違和感」や「不信感」を与え、結果的に信頼や成果を損ねてしまいます。チェックすべきは「通じるか」ではなく「信頼できるか」です。

  1. チェックすべき具体的なポイント

依頼者自身が翻訳のプロでなくても、次の観点で確認するだけで品質の良し悪しを見分けやすくなります。

  • 固有名詞・数値が正しいか
     会社名、製品名、日付や金額が誤っていれば即座に信頼を失います。
  • 用語が一貫しているか
     例えば「売上高」と「Revenue」が、別のページでは「Sales」となっていないか。
  • 文体・トーンが統一されているか
     「です・ます調」と「である調」が混ざるような状況は英語でも起こります。
  • 読んで自然かどうか
     ネイティブが読んで違和感を覚えないか。直訳の香りが強すぎないか。
  • 目的に合っているか
     IR資料なのか、Webコピーなのかで適切な言葉遣いは異なります。
  1. ポストエディットの重要性

AI翻訳のドラフトを人間が修正する「ポストエディット(PE)」は、品質を担保するうえで欠かせない工程です。特に次のような調整が可能になります。

  • 日本語特有のあいまい表現を明確にする
  • 文法的には正しいが不自然な語順を修正する
  • ターゲット市場に合った表現へと変換する

例えば、日本語の「ご利用ください」をAIは無難に「Please use」と直訳します。一見正しく見えますが、英語サイトの訪問者にとっては行動を促す力が弱く、クリック率やコンバージョンにつながりにくい表現です。実際のWebサイトでは、「Sign up now」や「Get started」といった、ユーザーの心理を動かすCTA(行動喚起)が効果的です。翻訳の正確さだけでなく、成果につながる表現になっているか」 が重要なのです。こうした“最後の仕上げ”は辞書や機械では判断できず、ユーザー行動や文化的背景を理解した人間の経験と感覚に依存します。

  1. チェック体制が成果を左右する

クライアントが翻訳会社に依頼する際に必ず確認したいのは、「どのようなチェック体制で品質を保証しているか」 という点です。どんなにAIが優秀になっても、人の関与の仕方次第で成果は大きく変わります。理想的なのは、次のような三層構造です。

  • AI翻訳によるドラフト作成
    まずはAIが原文をスピーディに英語化し、大枠の翻訳を整えます。これにより従来より大幅に納期を短縮でき、コスト削減にも直結します。ただし、この段階の成果物はあくまで「下書き」に過ぎません。
  • 日本人コーディネーターによるポストエディット
    AIが見落としがちな文脈や日本語特有のあいまいな表現を読み解き、原文の意図を正確に反映させます。また、業界特有の専門用語や貴社独自の表現もここで調整します。日本語と英語の両方に精通したコーディネーターが介在することで、「意味は通じる」から「正しく伝わる」レベルへと引き上げられます。
  • 英語ネイティブによる最終チェック
    仕上げとして、英語を母語とするライターやエディターが文体・トーン・語感を整えます。ここで重要なのは、単に誤りを正すのではなく、実際の読者が違和感なく読める「自然な英語」に仕上げることです。マーケティング文書なら読み手の心を動かすコピーに、ビジネス文書なら信頼感を与えるトーンに調整されます。

この三段階の工程を経ることで、AIの効率性と人間の精度を両立させることが可能になります。つまり、スピードやコストのメリットを享受しながらも、最終的には「成果につながる翻訳」を確実に得られるのです。

  1. 依頼者ができること

最終的な品質を左右するのは翻訳会社の体制ですが、依頼者側にもできることがあります。

  • 目的とターゲットを明確に伝える
     「海外投資家向けのIR資料」と「一般消費者向けのキャンペーンサイト」では求められる表現が全く異なります。
  • 用語リストや過去の資料を共有する
     企業独自の用語を統一でき、ブランドの一貫性を守れます。
  • 納品後にフィードバックを行う
     次回以降の品質がより安定し、コスト削減にもつながります。

まとめ:AI翻訳の時代だからこそ、人間のチェックが価値になる

AI翻訳の精度は今後さらに高まるでしょう。しかし、「信頼できるか」「成果につながるか」という観点では、依然として人間の介在が欠かせません。依頼者がチェックポイントを理解し、適切な翻訳会社を選ぶことで、初めてAI翻訳のメリットを最大限に活かせます。

私たちも、AI翻訳とポストエディットを組み合わせ、日本人コーディネーターと英語ネイティブの二重チェック体制で、御社のビジネスを支える高品質な翻訳をご提供しています。
「意味は通じる」から一歩先へ。グローバル市場で成果を出す翻訳を、ぜひご相談ください。

 

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