前回のコラムで北京語と広東語の違いを紹介しました。今回は台湾と香港での言葉の違いを紹介します。
中国語の文字は繁体字と簡体字で分けています。
日常生活の中、中国大陸は主に簡体字を使います。一方、台湾・香港・マカオは主に繁体字を使います。しかし、同じ繁体字でも台湾と香港で違いがあることをご存知でしょうか。
時々、台湾と香港向けに、一つの繁体字版サイトになっているのを見かけることがありますが、同じ言葉で違う意味があったり、同じ意味を違う言葉で説明したりすることや、独自の言葉があったりもします。以前のコラムで中国・台湾・香港版のAppleサイトを比較してみましたが、その中でも台湾と香港版の言葉は多少違いがみられます。
今回はいくつかの日常的な言葉を通じて、その違いをさらに見てみます。
早速、こちらの例を見てみましょう。
以上の例を見ると発音以外、同じでも台湾と香港の言葉が違うことが多いことがお分かりかと思います。
例えば、1番のホテル、台湾では「飯店」、ご飯の店という言葉。香港は「酒店」、酒の店という言葉で、全然違うイメージです。また、4番の例を見ると台湾では「3C用品」※という言葉で「パソコン・スマホ・カメラなど」を呼びます。これは台湾特有な言葉なので、もし台湾と香港も同じバージョンのサイトを使うと、香港のユーザーは何を意味するのか分かりませんよね。5番の写真フィルムと9番の映画チケット、香港は「菲林」と「戲飛」と呼びます。それは英語「Film(フィルム)」と「Fare(フェア)」の音訳からで、香港ならではの言葉です。
※3Cとは、パソコン(Computer)・通信(Communication)・家電製品(Consumer Electronics)の頭文字をとった言葉
台湾と香港は、各自が特有な文化背景を持っているので、言葉に違いもあります。
もし、台湾、香港向けのサイトを作る際には、言葉の違いに注意しないと正しい意味が伝わらず、あなたの目標を達成できないかもしれません。同じ繁体字でも使われる地域によって違いがあることを覚えておくと良いですね。