Webデザインだけに限らず、デザインをする上で、「余白」は最も重要な要素のひとつです。
しかし、一般的には必ずしも余白が良いものとされないこともあるようで、日本人には余白恐怖症の人が多いとも言われています。
空白があると不安になり、つい埋めてしまいたくなってしまうようなのです。
一度に沢山の情報が手に入る方がより親切丁寧なことだというサービス精神から、余白は無駄なものと思われてしまうのではないでしょうか。
デザインにとっての余白とは、空いてしまった空間ではありません。
上手く活かすことで、デザインをスッキリ綺麗に見せるだけではなく、文字の行間の取り方、ロゴなどの周りスペースを取り見やすくすることや、情報を整理しグループ化することなど、様々な役割を持っています。
昨今のWebデザインでは、膨大なコンテンツをじっくりと読み込まれることが少なく、スクロールしながら流し読みされることの方が多くなっており、情報がぎっちり詰まってしまっていると内容が頭に入ってきません。
重要なボタンなどの周りに十分なスペースが取れているかどうかで、ユーザーの理解度や、行動に大きく影響することから、UXデザインと言う観点からも、余白を十分に取ることの重要性が多く語られるようになっています。
特に外国人ユーザーに向けたWebサイトの場合、しっかりと余白を取り、フォーカスされるべきものに目が行くようなデザインが好まれる傾向があります。それは、外国人ユーザーがサイトに訪れたときに、自分にとって必要な情報がどこにあり、何が重要なのかを理解できることを重要視しているからと言えるのでしょう。
重要なボタンの周りに派手な装飾を足して目立たせようとするのではなく、ボタンの周りに十分な余白をとることで、ボタンにフォーカスを集める方が好ましいとも言われています。
日本人が十分に余白をとっているつもりでも、
外国人ユーザーから見ると窮屈に感じることが多く、少し不安に感じるくらい余白を取ってちょうど良いくらいなのです。
余っている空白はできる限り有効に使いたい。
そんな気持ちがあるのも理解はできますが、全てを埋め尽くしてしまうことで、息苦しく見辛いデザインに・・・結果、離脱されてしまい本来の目的を損なうことにつながります。ユーザーにとっても見やすく、心地よく感じるデザインであれば、良い結果につながるはずです。
みなさんも、余白を恐れるのではなく、余白をうまく取り入れ、活かすことで良いwebサイト制作を心がけてみてはいかがでしょうか。