自己学習型(ディープラーニング)のAIの社会への普及が始まり、いつかは翻訳という専門業も機械翻訳によってなくなってしまうのではと、ぼんやりとした考えから、もう一度再認識が必要な時期にきたようです。
巷では2045年にはAIが人間を追い越すと言われています。
旅行や買い物などの通常の会話であれば、近い将来、アプリを介して行うことができるようになるのではないでしょうか。また、用語統一、表記方法、スタイルガイド、業界での言い回し、固有名詞、UI等々と産業翻訳と言われる業界で必須な事柄は、将来的にはAIに取って代わられるようです。
AIを使った初期段階の翻訳では、これら用語統一等のルールを人間が教え、機械が実行することになるのでしょうが、その先では求められているルールを学習蓄積から自己補正していくことも可能と考えられます。
例えば、商品販売の広告に載せるコピーに必要なことは、消費者に他社の商品ではなく、自社の商品を買ってもらうことです。
自動車で言えば、SUVが欲しいと思っている人に自社の車を買ってもらうことであって、そのためにその時点ではまだ存在していない潜在的かつ将来的顧客に届く言葉の選択を考える作業がコピーライティングとなります。
AI技術は常に進化していくことは間違いありませんが、EQの指数がどれだけ人間に近くなるのかはまだ誰もわからない領域ではないでしょうか。AI技術を利用した新しい翻訳に対して、人間の文章による翻訳を単純に対置し否定するのではなく、
正確な翻訳素材をいかに消費者の心に届けるのか、そのためのライティングと考えていく必要があるかもしれません。ネイティブ感覚の翻訳というものも、ローカライズ先の人々の求める気持ちを代弁する言葉を表現していくものとなっていく必要があると言えます。